コミュニケーションが楽しくなる横の人間関係【1】
幸せな気持ちというのは一人で感じるよりも他人と共有したほうがより強まるものだそうです。今回は人とコミュニケーションをとるのが苦手と感じている方に向けて人間関係に振り回されずに人生を豊かにしていくにはどうしたらいいのかについてお伝えしたいと思います。
「縦の人間関係から横の人間関係へ」
「あなたの生活の中に怒りや不安、憂うつといった感情があるとすればそれはほぼ間違いなくあなたが縦の人間関係に影響をうけているから」とアドラー心理学では言っています。心を穏やかに保つには縦の人間関係を修正し、横の人間関係を築く必要があります。
● ストレスは縦の人間関係から発生する
● 横の人間関係がうまく実現すれば心はずっと平穏で豊かになる
● 誰かが偉くてだれかが下だという考えを捨てる(人はみな平等、しかし同じで
はない)
シンプルです。
親子関係、夫婦関係、教室や職場での人間関係の中の怒りや不安、憂うつといった負の感情は縦の人間関係を作ろうとする時に現れます。これらの関係を横の関係に修復する必要があります。
相手が縦の関係を要求しているのか横の関係を望んでいるのか観察してみましょう。言葉だけでなく表情や話し方、声のトーンなどには多くのメッセージが含まれているものです。
「平等だということとと同じだということを混同してはいけない」とアドラーは言っています。横の関係を実現するには平等と役割の違いを理解していなくてはいけません。
家庭にも会社にも学校にもお互いの同意のもとに作る役割というものがなければうまくいきません。例えば「いつも偉そうにしている亭主と黙って聞いている妻」や「指示や命令を出す社長とそれに応える平社員」などといった関係もお互いが同意してその役割を果たしながらうまくやっていれば二人は平等といえます。その違いは人間の価値ではないんです。
「人間は一人一人みんな違います。男と女は同じではありません。でも平等です。大人と子供は同じではありません。でも平等です。私は、平等とは、人間一人一人の違いを認めた上での価値の平等をいうのだと思います。人間の価値はその人の行為によっては決まりません。ただ存在しているだけで、すべての人は同じだけの価値を持っているのです。そのことに対して尊敬を払わなければなりません。それが平等主義ということです。」(オスカー・クリステンセン)
良い人間関係というのはどちらかが一方的に作るものではありません。一人一人の違いを認めた上でお互いの価値に気づき尊敬し合えた時私たちは平穏で温かな気持ちになります。
ここでアドラーについて簡単に説明します。
アルフレッド・アドラーは19世紀に生まれたユダヤ系オーストラリア人の心理学者です。日本では最近アドラーの関連本が多く出版されており、中でもアドラー心理学について解説した「嫌われる勇気」が世界中で350万部の大ベストセラーになったことで認知度が一気に上がりました。
彼は後年育児と学校教育をとりわけ重視し、自分の研究を「人類によい未来をもたらす子供を育てる」ために役立てようと尽力しました。
アドラー心理学については別の回で取り上げたいと思います。
次回はよい人間関係とは何か。具体的な特徴について 話していきます。そして縦の人間関係の中で私達が陥っていた思考の罠についてと、横の人間関係の実現に向けたマインド作りに役立つ話です。ではまた。
読んでくださりありがとうございます。
参考文献
劣等感と人間関係 アドラー心理学を語る/野田俊作
「アドラー心理学」超入門 10分でわかる、心が軽くなる!